18:20–18:30 ・ 10 MIN
② AI時代のこれから
数字は統計と報道から。これからの話は、講師の見立てです。怖がらせるための話ではありません。
QUIZ / クイズです
日本で、生成AIを
使ったことがある人は?
答えを見る
答えは C。
58.8%
1年前は26.7%。1年で、倍以上に。アメリカ・ドイツは75.6%、中国は93.6%。もう、使っていない人のほうが少数派です。
今回から15〜19歳も調査に入ったので、少し押し上げられています(20歳以上に限ると52.2%)。それでも半分以上です。
出典:総務省「令和8年版 情報通信白書」(2026年7月)。使ったことがある個人の割合
SPEED / AIの伸びる速さ
AIに任せられる仕事の長さは、
約4か月で2倍。
AIがひとりでやりきれる作業の長さが、2023年以降は約4か月ごとに2倍になっています。半年前にできなかったことが、いまはできる。だから、試すのは早いほうがいい。
米国のAI評価機関 METR の測定(2026年1月)。測っているのはプログラミングの作業なので、どの仕事にもそのまま当てはまるわけではありません。
SURPRISE / ここ数週間の話
動画の編集も、
撮った素材を渡すだけに。
✂️カット
💬全部にテロップ
📊図解
🎞️イメージ映像
2026年9月に出た Claude の新しい(Opus 5.5)と、パソコンでAIに作業させるで、動画の編集がほぼAIでできるようになりました。外注していた動画の編集を、やめたYouTuberもいます。
言われた通りの作業はAIに、決めるのは人間に。皆さんの仕事で言えば、写真の整理や報告書です。
借金しゅうへい「Claudeで動画編集の仕事なくなりました」(YouTube)より
REVEAL / 種明かし
実はこのスライドも、
AIと一緒に作りました。
なまはげと秋田犬の漫画も、外壁や和室の作例の写真も。100枚近く。私は「こうしたい」を伝えて、見て、決めただけです。
NOW / 建設業のいま
たぶん、皆さんが
肌で感じていること。
478万人
建設業で働く人ピークの1997年は685万人
1/3
大工さん1980年の90万人以上から、2020年は約30万人
出典:日本建設業連合会(総務省「労働力調査」2025年)/総務省「国勢調査」(大工:1980年→2020年)
人は減る。
仕事は、減らない。
👷 人この30年で、3割減った
⏰ 時間2024年4月から、建設業にも残業の上限(原則 月45時間・年360時間)
🏠 仕事家は建てるし、直し続ける
だから「1人でできる範囲」を広げるしかありません。
SURPRISE / いま起きていること
ジムのRIZAPが、社員500人を
建設職人に。
RIZAPグループが、2026年4月に建設業への本格参入を発表。グループの社員500人を、2026年度中に建設の人材に育てる計画です。AIで事務の仕事を減らして、その人たちを、現場へ。
事務の仕事はAIで減る。でも、現場の腕は足りない——それが、いま起きていることです。
日本経済新聞(2026年8月13日)・ITmedia(2026年4月17日)より
SURPRISE / 研究でわかったこと
AIに代わられにくい仕事の
上位に、建設の職人。
マイクロソフトの研究チームが、AIチャットの20万件の会話から「AIが得意な作業と、どの仕事の作業が重なるか」を調べました。重なりがいちばん少ないグループに、この3つが並びました。体を使って、現場で判断する仕事です。
その代わり、机の上の仕事——見積、報告書、連絡——は、AIが手伝えます。
Microsoft Research「Working with AI」(2025年7月)。「仕事がなくなるか」の予測ではなく、AIチャットの得意な作業と重なるかの分析です。
NEW / 最近の「へえ」
現場のまわりにも、
もう来ています。
📞現場にいる間の電話番も、AIが電話に出られない間、AIが電話を受けて用件を聞き、文字にして知らせてくれるサービスがあります。月数千円から
🧾建設業向けの「現場Hub AI」。チャットで頼むと、現場の進み具合に合わせて報告書・集計・見積を作ります。2026年10月1日から提供
👓翻訳の字幕が出るメガネ眼鏡市場の「Linse Display」。聞いた言葉を文字にして、翻訳の字幕をレンズに映します。外国人スタッフとの会話にも。11万9000円・10月23日からクラウドファンディングで予約
料金や仕様は変わることがあります。気になるものは、各社の公式サイトで確認してください。
PHYSICAL AI / 体を持ったAI
家事をする人型ロボット、
約300万円で予約中。
ロボットの体を持って、現実の世界で見て・考えて・動くAIをと言います。アメリカの1X社の家庭用人型ロボット「NEO」は、2万ドル(約300万円)か月499ドルで予約を受け付けていて、2026年からアメリカで順にお届けする予定です。
Figure社の「Figure 03」は、洗濯物をたたむ・食洗機に入れるといった家事の映像を公開しました。ただし、動きはまだゆっくりで、人の手助けが要る場面もあると報じられています。
1X「NEO」(2万ドル・2025年10月予約開始)/Figure「Figure 03」(2025年10月の公開映像)
PHYSICAL AI / 建設現場では
ロボットが、
現場を歩きはじめた。
清水建設が2026年7月に、東京駅前の超高層ビルの現場で、カメラを持った人型ロボットが決まった順路を巡回する実証と、職人さんの動きをまねて覚えたロボットアームの塗装の実証を発表しました。2030年度ごろの実用化をめざしています。
国の「AIロボティクス戦略」は、2040年までにAIロボット1,000万台規模を国内に入れる目標で、建設・土木と建築も対象です。
ここからは私の見立て:1軒ずつ条件が違う住宅の現場に来るのは、ビルの現場よりもう少し先です。
清水建設(2026年7月発表)/AIロボティクス戦略(2026年)
CAUTION / 気をつけたいこと
声も、
そっくりにまねできる時代。
AIは短い音声から、その人そっくりの声を作れます。家族の声をまねて「事故を起こした」「すぐお金を」というの詐欺が、アメリカでは増えています。
お客様や取引先を名乗る、会社への電話でも同じです。
家族の声をまねた詐欺に、米国の連邦取引委員会(FTC)も注意を呼びかけ(2026年1月)
MESSAGE / いちばん伝えたいこと
AIは、怖がるより、
自分の時間を増やすために。
動画編集の話も、RIZAPの話も、怖がるための話ではありません。AIに任せられることは任せて、空いた時間は、家族に、趣味に、腕を磨く時間に、お客様と話す時間に。
FUTURE / 私の見立てです
差がつくのは、腕ではなく
「頼み方」。
いま住宅の現場でAIを普通に使う人は、まだ少ない。先に始めた人ほど目立ちます。
3年後見積のたたき台も、報告書も、完成イメージも「AIで先に作る」のが当たり前に。
変わらない現場の腕の価値は、むしろ上がる。
AIは、腕を奪わない。
腕のまわりの仕事を、減らす。
では、実際に何ができるのか。
WORDS / この章の言葉(タップで説明)
→